2023年2月3日金曜日

ブログ4: 私の好きな詩・歌詞

 ブログ4: 私の好きな詩・歌詞

私の好きな詩や歌詞は色々ありますが、今日は二つ紹介したいと思います。

一つ目は尾崎放哉(おざき・ほうさい)という俳人の俳句です。

咳(せき)を しても 一人    尾崎放哉

えっ?これが俳句なの?と皆さんは思ったと思います。俳句は五七五の17音のはずなのに、この俳句は9音です。その上、季語もありません。

尾崎放哉のスタイルは「自由律(じゆうりつ)」と呼ばれる俳句で、五七五にとらわれずに自由に作るスタイルです。これを俳句といってもいいのかどうかわかりませんが、どうですか。

私が好きな点は「も」の使い方です。咳をしても一人、の「も」を見ると、尾崎の孤独さが感じられると思います。病気で寝ていて、寒さの中震えている。咳が出たが、それにこたえる人もいない。何をしても誰もいない。周りの静かさ、尾崎の孤独さや不安さがよく表れている、と思いませんか。この9音の中から浮かび上がってくる孤独さは、9音という短い句だからこそ表せるのかもしれないと思います。

https://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005150417_00000

(この句を「狂言(とびら第八課「日本の伝統芸能」参照)」で表したもの)


もう一つは、椎名林檎(しいな・りんご)さんの90年代の歌で、「正しい街」という歌です。彼女が上京する時に別れた恋人のことを歌った歌なのですが、私がアメリカに来たばかりの時に、この歌を聴いてすごく心に残ったことを覚えています。私も同じような経験をしたし、それに、椎名林檎さんは福岡出身で、私が知っている地名が出てくるんです。別れた恋人や自分のふるさとを捨てて上京したことを後悔している気持ちが下の部分に表れていると思います。

 

何て大それたことを 夢見てしまったんだろうあんな傲慢(ごうまん)な類(たぐい)の愛を押し付けたり都会では冬の匂いも正しくない百道浜(ももちはま)も君も室見川(むろみがわ)もない
(「正しい街」 より)
 


椎名林檎は、今もまだ「東京事変」というバンドで活躍しています。興味があったらぜひ聴いてみてくださいね。

 

2 件のコメント:

  1. 入江先生こんにちは!実は、私も椎名林檎の音楽が好きです!福岡出身で、入江先生にとって懐かしいですね。この曲知らなかったので紹介してくれてありがとうございます!

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  2. 椎名林檎はとてもいいですね!私は椎名林檎の古い歌が好きです。90年代のロックが好きなら、椎名林檎さんの古い歌も好きかもしれません。

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